2018〜書積〜

書を重ね、知を広げ。

9冊目 スタバではグランデを買え! 吉本 佳生

今月はギリギリの投稿になりました!なんとか間に合ってよかった。。

今回は古本屋で出会ったこの1冊。

f:id:yosuke7778:20180930231040j:image

名前からインパクトがあって、前から知っていたけど、読むにはいたらなかったもの。

すごーく身近な話を、経済の視点から専門的に解説してくれる本でした。

同じ商品が場所によって値段が違うのは何故か??それはお金以外のコストをかければ安くなるし、かけなければ高くなるというメカニズムがあるから。

 

テレビやカメラが段々安くなっていくのは何故か?それは規模の経済性が働いて、工場を建てて、何かを作って売るとすると、上手く行けばその利益で工場の費用を上回る。そしたら、値段を下げてもそれなり利益が期待できる。そんなことの連鎖が起こるから。

 

などなど、考えると確かになぜ?と思うことが多々あって面白かった。

 

そして本題のスタバではグランデを買え!は何故か??

グランデというのはショートサイズの倍の量であるが、実は値段的にはplus100円。ショートサイズを2つ頼むのとではかなり差が出ます。これが消費者のメリット。

経営者のメリットとしては、ショートサイズの提供とグランデサイズの提供とでは、労働者の負担を見ても大したことは無い。けど、100円多く手に入れることが出来る。しかも実はカフェのドリンク原価は販売価格の数パーセントにしか及びません。量が倍になっても、材料費の負担は全然軽いんですね。

だから個人的なオススメは、カップルでスタバに行った際には、彼女に合わせてドリンクをグランデにしましょう!!

ダイナミックさに男として良いとこを見せられるかもしれませんね!笑

8冊目 ぼくたちは習慣で、できている 佐々木典士

Image result for åãã¡ã¯ç¿æ£ã§ã§ãã¦ãã

f:id:yosuke7778:20180805122947p:plain

大型書店に行ったとき、パッと目に入ったのがこの1冊の本でした。

 

「継続は力なり」

 

よくある言葉ですが、言うほど継続することは簡単ではありません。

ですが、何かを成し遂げるときには、積み重ねが絶対必要なんですね。

まぁこれば難しい。

 

「意思が弱い」

 

そんなことを自分に思われる方も少なくないと思います。

が、そもそも意思に頼ることが間違いで、食後の歯磨きくらい意思を使わずに習慣にできれば何でもできる。そんなことが書いてありました。

意思なんてものは感情に左右されるので、安定しないんですね。

そして次に、習慣にするためのテクニックが50個つづられていました。

さすがに全部は紹介できないので、いくつかをざっくり言うと、

「無くしたい習慣はバサッと切る、特別は作らない」「習慣を身に付けるときは、めちゃくちゃハードルを下げ、少しずつ上げていく」

50の中でも、「途中でやめる」という話がとても興味深かったです。

それは、無理をして続けようとしないということだったのですが、その例えがすごく納得しました。5時が定時の仕事で、定時になって後10分あれば仕事が終わるとなったとき、その10分は頑張るべきではないということでした。

というのも、残り10分の見通しをもった状態で、次の日の仕事に行くと新しく作業を始めるより、やることが明確であるために、いわばスタートダッシュを切れるのですね。

今までの自分ではそういったように考えられず、すっきりして帰りたい、休憩に入りたいと思っていたのですが、あえて途中でやめる行動をとるようになりました。

 

啓発本はまぁそうだよね。と感じて終わることが多かったのですが、今回の本では、自分の行動が変わった部分もあり、有意義な時間を過ごすことができました。

7冊目 心の病は脳の傷 田辺功

f:id:yosuke7778:20180712074603j:image

通っている整体の先生が貸してくださった本でしたが、まさかお借りしたその時に友達が鬱になっていたとは。と今思うとかなりタイムリーでした。

お話はドクターの松澤先生の経験を基に書かれていました。

タイトル通り、心の病は脳(扁桃体

の傷。つまり、傷が塞がれば病は治るということでした。心の病というのは鬱や統合失調症アルツハイマーなど様々ありますが、鬱と統合失調症は同じ病。必ず併発すると書かれていました。アルツハイマーはそれに、海馬の萎縮(記憶力の低下)が加わったもの。

そういった病の解消のためのキーワードとして、「バナナを食べて走れ」がありました。

食事と運動、これが1番大切だそうで、食事はバナナ、大豆、赤身が大事で、運動は縄跳びやランニングなど、手軽で毎日続けられるものがいいそうです。

精神科へ行くと、薬をただ処方し、改善が見られなければ、量を増やすという荒療治があるが、それには極めて批判的な立場を取られていました。

松澤先生はCTなどの脳内と写真を見て、科学的(客観的)に見て有効な治療を進めているそうで、多くの患者が精神病を克服出来たそうです。

【感想】

正直お借りした時は、あんまり役に立つことはないかなと思っていたけど、目の前の仲間がこんな状態になっていて、向き合うきっかけになりました脳内の専門的な話は難しいけど、具体的な事も書いてあり、読みやすく、是非実践したいと思えることばかりでした!

仲間は食欲の減退が著しく、バナナも食べてもらえませんが、スムージーでも作ってやろうかと思います!

6冊目 AI vs 教科書の読めない子供たち 新井 紀子

f:id:yosuke7778:20180701133113j:image

職場の同僚に紹介してもらった本ですが、なかなか興味深く鋭い視点で教育に提言しているものでした。

【大まかな内容】

人工知能の研究は世界的にかなり進んでいて、身近なところではSiriやGoogleHomeなど、音声を認識して的確に表出をする機械が出来ている。そんな人工知能囲碁や将棋では負けないし、大学受験においても、MARCHレベルでは合格可能性が高い。ゆくゆくは労働面においても人工知能が侵略を始めるのではと言われている。しかし筆者はその事を否定する。人工知能には常識や意味を理解することが出来ないから。与えられたものの中から統計的に答えを探すことは出来ても、自律的に新たに何かを作ることはできない。

筆者の言いたいことはそれだけではなかった。文章の読解を苦手とする人工知能よりも、読解力の低い中高生が多く存在していること、これこそが筆者の問題意識であった。こういった人がそのままの状態で社会に出たとしたら、機械に代替される人間となってしまう。つまりは働けない人材となるのである。日本の教育においては、アクティブラーニングやESDが流行りであるが、その根底にあるスキルとしての読解力が育たなければ何にもならない。教育委員会、学校、教員、保護者など、子供を取り巻く大人達がこのことに対して問題意識を持って取り組む必要がある。

 

【感想】

空気を読むこと、行間を察すること、意図を把握すること、背景を除くこと、どれも難しい事だけど、こういった思考の柔軟性が高い人ほど、人工知能が広まった世界でも生き残れる人なんだと思う。

学校現場においても、読解力の低い生徒がいるのは当然だが、教職員にも多い。問題はそこに危機意識を持てるかどうか。何となくで済んでしまう世の中だから、いつドツボにハマるか怖いものだ。本を読み進めていくと、コモディティ人材のことを思い浮かべる事が多々あった。替えのきかない人材になるべく、自分だけのオリジナリティ、そして、人に選ばれる力がこれまでは対人間であったけど、近い将来は対ロボットとなる。勝てないところは当然あるが、勝てるとこも当然あると言いきれるくらいに研鑽を積んでいきたい。社会人として。

レ・ミゼラブル 感想

昨年度末に授業で扱う題材に決めたこの作品。原作を読み返すと、やっぱり映画がダイジェストにしか思えませんでした。

ヴィクトル・ユーゴー作の「ノートルダム・ド・パリ」も以前に読んだことがあり、通ずる箇所が何点かありますね。

まずは治安が乱れた時の宗教、特にキリスト教の強さが挙げられます。選民思想のないキリスト教は、誰であっても平等に愛し、助けるといった教えがあるようです。物を盗まれた時、「これも持っていきなさい」なんて、普通は思えませんね。そして「正しい人になりなさい」なんて言われてしまえば、ジャン・ヴァルジャンの生き方がここから大きく変わってしまいました。愛することの大事さ気付き、人のためにあらゆる場面で自己犠牲する姿にはため息すら出ます。

そしてもう1つ。どんなに堅実な人間でも、完全な人間は存在せず、結局感情に、揺さぶられてしまうということです。登場人物でいうと、フロローとジャヴェール。どちらも裁く側の立場だが、理想を掲げるものの、人に対する情との葛藤にどちらも負けてしまいます。正義というものは、それぞれの考え方があるが、いざとなれば曲げざるを得ないこともある。人間らしさが垣間見られ、この両方の登場人物も気に入っています!

あまり日本に馴染みのない革命について、考えさせられる作品であり、社会科の教員としてとても楽しませていただきました!

 

5冊目 レ・ミゼラブル 下 ヴィクトル・ユーゴー

f:id:yosuke7778:20180601081854j:image

【あらすじ】

マリウスの住むアパートには、何人もの貧しい人が住んでいた。特に隣人のジョンドレートは度々マリウスの部屋に訪れ、お金を恵んでくれと物乞いをしていた。隣の部屋から聞こえてくる声などから、かなりの怪しさに耐えかねたマリウスは警察に相談する。実は隣人こそがあの宿屋を経営していたテナルディエだったのだ。

マリウスの父は「テナルディエに助けられたから、もし会ったらよろしくな」と言われていたが、今の状態から全く想像ができない。その部屋に悪党共が集まった時、遂にジャヴェールを筆頭とした警察が侵入。実はその中にルブランと身を隠していたジャンもいたが、危機一髪脱出に成功する。

マリウスはテナルディエの娘、エポニーヌにコゼットを住所を調べさせていたが、マリウスに好意をもつエポニーヌはついにその情報を手に入れる。その情報を元に、マリウスは再びコゼットと会うようになるが、ジャン・ヴァルジャンはイギリスへの引越しを決意する。再会を喜ぶのも束の間、また離れ離れになってしまうことを恐れたマリウスは、祖父のジルノルマンに結婚の承諾を貰いにいく。しかしジルノルマンはそれを許さなかった。

そんな時、ラマルク将軍の死をきっかけに、暴動が始まったのであった。マリウスはコゼットを追いたい気持ちもあるが、ABCの仲間が戦っている状況に葛藤する。結局戦いを選んだマリウスはバリケードへ向かった。そこには政府軍の衣装を身にまとったジャン・ヴァルジャンの姿があり、その衣装を他のものに着させ、その場から逃がすのであった。争いは窮地に追い詰められていった。バリケードの中にはスパイとして潜んだジャヴェールがいたが、彼の処分に立候補したのがジャン・ヴァルジャンであった。彼は積年の恨みを晴らすチャンスを手に入れたが、バリケードの裏手からジャヴェールを逃がし、空に向かって銃声を轟かせた。その頃バリケードは壊滅状態となり、マリウスも瀕死であった。ジャン・ヴァルジャンは彼を助けようと、抱えたまま下水道へ飛び込んだ。下水道から出た先に待ち受けたのはジャヴェールであった。逮捕するのは構わないが、マリウスを助けてからにしてくれとのジャン・ヴァルジャンの要求を飲み、マリウスはジルノルマンのもとで一命を取り留めた。その頃ジャヴェールは1人橋に向かっていた。殺されるべきタイミングで、囚人に助けられてしまい、囚人の意見を譲歩することをした。正義とは何か、苛まれたジャヴェールは自ら命を絶つことに。

やがてマリウスが回復すると、コゼットとの再会を果たす。この頃にはジルノルマンは結婚を認め、2人は仲良く暮らすのであった。ある時ジャン・ヴァルジャンとマリウスが2人で話をしている時、ジャン・ヴァルジャンは自分の悪い部分、囚人であったことを明かした。マリウスは信じられなかったが、このあとテナルディエとも話をして、全ての辻褄があった。しかしその時にはもう遅く、ジャン・ヴァルジャンは死を迎えていたのであった。

4冊目 レ・ミゼラブル 上 ヴィクトル・ユーゴー

f:id:yosuke7778:20180430084141j:image

3月の間に、授業のネタ探しのため書店に行くと絵本化されている事に気付いたレミゼ

以前に原作を読んだことがあって、決して簡単ではない物語をどう噛み砕くのだろうかと、好奇心だけで手を伸ばす。

絵本を広げてまもなく、買う決心がついた。重度の子に対しても授業が出来ると思ったから。

でも、授業をするとなると、やっぱりもう一度原作に立ち返ろうと、今月はこちらの本にした。

【あらすじ】

舞台はフランス。革命真っ盛りのこの時期は治安の乱れも甚だしく、身分に基づくピラミッドが確固たるものとして残されていた。そんな時、主人公のジャン・バルジャンはパンを盗んだ罪と、脱獄により約20年間監獄での生活を送っていた。ついに仮釈放を迎え、町に出るが、誰もが彼の存在を拒んでいた。しかし教会の司教だけは彼を見捨てることはせず、救いの手を差し伸べる。ジャンは司教の優しさに助けられるも、またその教会において、盗みを犯す。しかし司教は、盗まれたものは自分がプレゼントしたものだ。燭台も上げたのに、忘れているぞ。と咎めることはしなかったが、そこにはこれで心を改めろとメッセージを送った。

ジャンは司教のお告げの通り、改心することにし、しばらく姿を消して、マドレーヌと名乗った。会社を立ち上げ、市長にもなり、人のために尽くした。ある日ジャンが捕まり、裁判にかけられているという話が広まり、冤罪であることを知ってる彼は、自白することに。しかしマドレーヌの名が広まりすぎたために誰にも信じてもらえなかった。

自分の会社にはファンテーヌという美しい女性が働いており、彼女に好意を抱くが、実は彼女には宿屋に預けている娘コゼットがいる。宿屋には過剰な送金を求められ、そのためには仕事を選ばず身を粉にして働いたが、病で倒れてしまう。

市長としての部下で警察のジャヴェールは市長がジャンであることを見抜いてしまう。そこから、ジャンへの追いかけっこが始まった。ジャンはファンテーヌにコゼットを守ることを約束し、宿屋へ駆けつけた。コゼットは虐待を受け、ひどくみすぼらしい格好でいた。ジャンは彼女を救うために、宿屋へ多額のお金を渡し、コゼットを預かることに成功する。

しかしジャヴェールに追われている現状は変わらなかった。窮地に追い込まれた時、市長の時に助けた老人と再会し、彼に匿って貰うことになった。

この頃、マリウスという勇敢な父を持つ 青年が同じ地に暮らしていた。彼はおじと共に生活し、おじは父とは対照的な考え方をしていたため、マリウスをおじ寄りに染めていこうとした。しかしマリウスが大人になるにつれて、父の偉大さに気づき、おじとは犬猿の仲になる。そして彼はABCという若者集団に加わり、革命を企てようとしていた。そんな時、1人の男老人と若い少女を見つけてしまう。ジャンとコゼットだ。コゼットに一目惚れのマリウスは彼女の行方を突き止めようと務める。ジャンは逃げなければならない状況にいるため、突然コゼットは姿を消す。マリウス彼女に恋焦がれ、貧しくもひたむきに生活を送っているのであった。

続く。