2018〜書積〜

書を重ね、知を広げ。

2冊目 向日葵の咲かない夏 道尾秀介

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【あらすじ】

舞台は犬猫が脚の骨を折られ、石鹸をくわえられる不審死が続いていた街。事件は一学期の終業式の日に起こる。その日欠席したS君に手紙を届けることになった主人公のミチオ。学校が終わり、S君の家に着くと家には誰もいない様子。恐る恐る家の中に入ると部屋には首を吊っているS君の姿があった。急いで学校に戻り、担任にその事を伝え、今度は担任が確認に上がる。しかし、その時にはS君の遺体が消えていたのであった。クモに姿を変えたS君と共に遺体を探すことにしたミチオとミチオの妹のミカ。まず疑ったのは担任であった。彼には少年の裸姿に興奮する性癖があり、家にはいくつもの写真が見つかった。しかし、結局彼はS君の死とは一切関係がなかった。遺体を隠したのは裏山に暮らす70代の爺さんであった。実は犬猫の犯人はS君であったが、骨を折っていたのはこの爺さんであった。骨を折らずにはいられなかった爺さん。やがてS君が爺さんに場所を予告するようになった。最後の予告地がS君の家なのであった。

終業式の朝、ミチオはS君の家にいた。「死んでくれない?」まさかそれが実現するとは思わなかったのであった。

 

【感想】

久々に読んだサスペンス。しかもファンタジー性に富んだ展開に斬新さを感じました。あらすじには書ききれない、テクニカルな描写が多々あったこの作品。S君がクモに姿を変えていたが、実は近所のおばあさんや妹のミカ、ミチオが好意を抱いていたスミダさんも実は皆死んでいて、別のものとして登場していました。最後の最後まで気付かず読み進めていたため、何度も「ウソ!!!!!」と口に出してしまいました。でも一番ハラハラした場面はやはり3人が担任の尾行をしたシーン。家が分かったと思いきや、すぐに家を出た担任。そのすきに家に入ることに成功したS君とミチオ。そこで見たものは山積みになっている子供たちの裸の写真。そんなときに担任が帰ってきてしまう。必死に風呂場に隠れると、担任はヘッドホンをかけ何やら映像を見始めます。それをどうにか視野に入れたミチオ。S君の裸姿の映像でした。

文字を追っているだけなのに、心臓バクバクさせたのは久々の経験でした。

最後にタネ明かしが多かった分、またすぐにでも読み返したいと思いました!